【CEDEC 2019 フォローアップ】「現場最優先のススメ」~最高の開発環境を生み出す情報システム部門の在り方~


2019年9月5日(木)に開催されたCEDEC 2019にて、「『現場最優先のススメ』~最高の開発環境を生み出す情報システム部門の在り方~」という講演を行いました。
講演にご参加いただいた皆様には、改めて御礼申し上げます。

はじめに

本講演では、情報システム部門(以下、情シス部門)の方向性がコスト意識に向いてしまうことが多いことについて、クオリティの高い対応が求められるゲーム業界においては必ずしも正解とは言えないということを説明し、Cygamesの情シス部門の考え方である「現場最速」と「満足度最重要」の説明と、それらが基となっている様々な取り組み例の一端をご紹介しました。

以下が当日の発表資料です。本記事ではフォローアップということで、「現場最速」「満足度最重要」という考え方の要点を説明いたします。

「現場最速」

現場最速とは、開発現場のスタッフがクリエイティブな時間に割ける割合を最大化できるよう、「スピード」を追求することです。
具体的な取り組み内容は、「機材の準備やソフトウェアの設定をやらせない」「要望があった際の待ち時間を最小化する」「問い合わせに迷う時間を無くす」といった対応です。

現場最速を求めていくと、現場の開発スピード、対応スピードが上がります。
例を挙げると、カスタマーサポート対応における端末不具合調査なども同じ環境を即日で再現できることで、バグ修正の対応速度も早くなりますし、新しいソフトウェアを検証したいとなった時もすぐに準備が整うことで迅速に最新技術の検証を始めることができます。

また、Cygamesはスピード感を大事にしている会社で、意思決定のスピードもかなり速く、それが会社の強みの一つでもありますが、そういった素早い意思決定の価値をより高めることがバックオフィスの立場でありながら可能です。せっかくスピード感のある意思決定がなされても、機材やソフトウェアの準備がボトルネックとなってしまうようでは意味がありません。

現場最速を追求することで、情シス部門の立場から会社のスピード感を高めることができ、より競争力のある会社の下支えとなることができます。ゲーム業界は変化が激しく、また技術進歩のスピードも速いので、この点において特にゲーム業界で情シス部門の果たす役割は非常に大きいと言えます。

「満足度最重要」

満足度最重要は、ストレスなく業務に集中してもらうために現場スタッフの「満足度」を追求することです。Cygamesでは「ストレスフリーな業務環境の提供」「対応の標準化ではなく専門特化」「ユーザーの意見を取り入れた改善サイクル」といった観点で様々な取り組みを行っています。

「満足度最重要」を追求することで、業務環境の充実さや情シス部門の対応の良さが会社のアピールポイントになります。実際Cygamesのスタッフが受けるメディアのインタビューなどでも、Cygamesの良いところとして、情シス部門の体制を挙げてくれる人も少なくありません。様々なゲーム会社を経験してきたベテランの方にそう言ってもらえることは、もちろん会社の魅力の発信となりますし、情シス部門のメンバーにとっても非常に励みになり、改善サイクルの原動力にもなります。人材の流動性が激しいゲーム業界において、この点でも情シス部門の担う役割は大きいと言えます。

また、情シス部門の対応を標準化するのではなく専門特化していくことで、日々、技術難度が高くなる開発現場の要望に情シス部門として全力で応えることができます。技術の進歩が著しいゲーム業界において、そのトレンドについていくためにも、「満足度最重要」の考えはゲーム業界に身を置く情シス部門としてはなくてはならない考えではないでしょうか。

最後に

Cygamesでは、「常に『チーム・サイゲームス』の意識を忘れない」という考え方が浸透しているため、バックオフィス部門も「最高」を目指すことができる環境にあります。しかしながら、「現場最速」「満足度最重要」という行動指針は小さいところからでも始められますし、情シス部門に限らず、ゲーム業界において業務基盤の部分に携わっている方にとっては必要となってくる考え方だと思いますので、本発表の内容が何かしら皆様の業務改善のきっかけになれば幸いです。
今後も最高のコンテンツをつくるための最高のサポートを実現すべく、邁進してまいります。