『プリンセスコネクトRe:Dive』イラストチームの野西です。
2019年9月5日(金)に開催されたCEDEC 2019において、『個性的で魅力的なモンスターを量産する為の秘訣と開発手法紹介』という講演を行いました。
当日はお忙しい中、たくさんの方にお越しいただきありがとうございました。
本講演では、プリンセスコネクトRe:Diveにおけるモンスターを作るうえでの二つの課題を提示しました。それは、「クオリティ」と「量産」の両立です。
この課題に対し、どのような方法でモンスターの制作を進めていったのか。制作手法をデザイン面、アニメーション面それぞれを実例と交えながら紹介していきました。
以下が講演資料になります。
デザインパートで大切にしていること
デザインパートで講演してきたのは以下の点です。
「クオリティ」面で大切にしているのは、世界観を守りつつ、わかりやすいデザインを目指すこと。また、面白いデザインを考えるためにもたくさんのアイディアを出し、その際にユニークな要素も大切にすること。
「量産」面で大切にしていたのは、クオリティを大事にしながらも、時間の削減ができるところでは極力時間短縮すること。そのためにもルールを決めて迷う時間を減らすこと。またすべてを一から作るのではなく、ガワ替えや色替えを行い、デザインのみの変更で時間短縮を狙うこと。
そして不適切な表現は避けること。これを気をつけないと、スケジュールに大きな影響が出てしまいます。
一つ一つは小さいことかもしれませんが、積み重ねが時間短縮、量産へとつながっていきます。
これら二つが、「クオリティ」と「量産」を両立することが大切です。
ある意味、クオリティと量産は対極の位置にあるものです。
これらを同時に行うのは決して簡単なことではないかもしれませんが、ユーザーに最高のコンテンツを楽しんでもらうために、私たちは妥協せずに取り組んでいます。
アニメーションパート
~ビジュアル設計の最適化~
後半のアニメーションパートでは、バトルの絵コンテ制作を軸として、動的ビジュアル設計の手法についてご紹介しました。内容は以下になります。
- ビジュアル情報の整理方法
- キャラクターのシルエット設計
- 必殺技時の画面レイアウトの設計
字コンテの文字情報を絵コンテにしやすい文字情報に変換する手法をご紹介しました。
展開を「タメ」「発動」「余韻」の3パターンに要素分解して再構築します。
情報の整理はビジュアル設計の初期段階に相当し、この段階でだいたいの尺感まで見当を付けます。
バトルモーションにおけるシルエットコントロールの重要性と、その手法についてご紹介しました。手法は以下の2点にまとめてご紹介しています。
◎個々のバトルモーションの「初動」に変化をつけ、バトルの視認性を上げる手法
◎攻撃時のインパクトを高めるための手法
絵コンテで、必殺技の画面レイアウトをダイナミックに設計するための手法をご紹介しました。具体的には以下のような内容になります。
◎実装面で画面レイアウトのダイナミックな絵作りを支える機能
◎上記の機能を最大限に生かした設計を行うためのポイント
◎構造の複雑化に耐えうる絵コンテ設の考え方
最後に
私たち『プリンセスコネクトRe:Dive』のチームメンバーは楽しみながらものづくりをしています。
今回講演したモンスター以外の部分、キャラクターはもちろんのこと背景、UI、4コマなどすべてのコンテンツをユーザーに楽しんでもらうために愛とこだわりをもって制作にあたっています。
ご賛同いただける方、ぜひ私たちと一緒に働きませんか?