【CEDEC 2018 フォローアップ】VR/AR/MRの融合:高実在感コンテンツの未来


Cygames Research所属 コンシューマエンジニアの佐々木です。
2018年8月22日~24日に開催されたCEDEC 2018に於いて『VR/AR/MRの融合:高実在感コンテンツの未来』という講演を行いました。
当日は台風の影響で悪天候の中、沢山の方にお越し頂きありがとうございました。

本講演では、VR/AR/MRの三つのRの間に立ちはだかる壁を取り除き、最高のXR体験をユーザーに提供する為に、開発者はどの様に考えるべきか、どの様な解決手段があり得るかを、弊社で開発したMRアトラクション『VR四騎士』の開発事例を元に紹介いたしました。

以下が講演資料となります。

特に、MRコンテンツについては、現実空間をVR空間に高精度に再現することがユーザー体験の向上につながると定義し、その為に弊社が独自に技術開発した「空間センシング」「空間モデリング」について詳しく解説させて頂きました。

「空間センシング」

「空間センシング」とは、現実空間のスケールや形状を高精度に測定する技術と定義づけています。本講演では、「空間センシング」の採用実例として、工業用のレーザーレンジスキャナを用いた測量方法と、そこから得られた点群(ポイントクラウド)データの利用方法について解説しました。

「空間モデリング」

「空間モデリング」とは、現実空間のテクスチャやマテリアルを高精度に測定する技術と定義づけています。本講演では、フォトグラメトリーを使用して、HDR撮影された大量の写真から現実空間の「質感」を再現する方法について解説しました。

「空間センシング」と「空間モデリング」はそれぞれ独立した技術としても優れていますが、二つを融合することによって高精度な現実空間の再現を行う事が出来ます。これにより、HMDの装着前後で分断されがちなユーザー体験をシームレスにつなぐことが可能となり、より「実在感」と「没入感」を高めることにつながるのです。

他にも、サウンドの情報量とリアリティを高めるために導入した「空間オーディオ」と「フォーリー収録」についても解説させて頂きました。全ては、「最高のXR体験をユーザーに提供する」という目的を達成する為の技術開発の成果です。

Cygames Researchでは、XR以外にも新規性の高い研究開発を多数行っており、それらとIPを絡めた実用化も着々と進行中です。ご自身の研究とゲームを融合させ、世界に挑戦したいという方は、こちらからお問い合わせください。