こんにちは。アニメーションデザイナーチーム マネージャーの松岡です。
2017年8月29日~31日に開催されたCEDEC 2017にて、30日(木)に「高品質なアニメーションと低負荷を両立させるShadowverseにおけるアニメーション制作事例 ~カードバトルゲームとして快適にプレイできるUXを実現するために~」というタイトルで講演をさせていただきました。講演にご参加いただいた皆さまには、改めて御礼申し上げます。
本講演では、Shadowverseにおけるキャラアニメーション、エフェクト、スクリプトアニメーションの制作手法に関して、高品質と低負荷をいかに両立してユーザーに快適なプレイを届けるかということを主題としてご紹介させていただきました。
まず、当日の講演資料が下記となります。
こちらでは講演内では伝えきれなかったお話や、当日会場でご質問頂いた開発体制に関して取り上げさせていただきます。
キャラアニメーションについて
講演本編では時間の都合上触れませんでしたが、本講演でご紹介した箇所以外にもアニメーションを使用している箇所があります。それが「ストーリーモード」と「プレミアムカード」です。
ストーリーモード
ストーリーモードではバトルと一変して、個別にアニメーションを作成することは行っておりません。目パチ・口パクの制御とジャンプ、シェイクといった簡単なアニメーションを、プログラム側で制御して行っております。制御はバトル中の実装同様にUnityのAnimator(Mecanim)を利用しています。全てのキャラに関して共通で利用可能なので、こちらも大幅な工数削減と共に、全くキャラが動かない演出に比べてよりストーリーに没入して頂けるものになっています。
プレミアムカード
カードイラストがアニメーションするプレミアムカードですがこちらの制作に関しても、アニメーションデザイナーチームが行っています。高品質かつ低負荷であり、効率的にプレミアムカードを制作するための専用シェーダーというものがあり、それを用いて制作を行っています。すべてのカードにプレミアムカードが存在するので、日々新たな表現をユーザーの方々にお届けできるように試行錯誤しております。シェーダーの詳細に関しては、同ブログ内の別記事で特集もされているのでご興味のある方はそちらもご拝読いただければと思います。
https://tech.cygames.co.jp/archives/3009/
エフェクトについて
秒数指定による爽快感の保持
Shadowverseでは演出としての派手さと描画負荷・容量の節約だけでなく、カードのプレイ感を損なわないようにテンポをとても大切にしています。何回も繰り返し遊んでもストレスにならないように、なるべく短く、インパクトと爽快感のある演出を目指しています。具体的には、攻撃エフェクトであれば0.5秒以内、レジェンドの召喚エフェクトであれば1~2秒程度で制作することでプレイのテンポを阻害することなく、爽快感を保持した演出を作成することができています。
スクリプトアニメーションについて
デザイナーがエンジニアリングを行うための土台
アニメーションデザイナーチーム内にはアニメーターとエンジニアという職種が存在しており、どちらの職種に就くかに関しては、本人の希望と技術、プロジェクトの状況を判断して決めていきます。アニメーターとエンジニア両方のスキルを活かして働いている方もおり、どちらの職種でもアニメーションに関することならば、幅広く挑戦できるチーム体制となっています。
その上でアニメーションデザイナーもエンジニアリングを行うための知識が必要と本講演でお話ししましたが、その知識の土台となるものはFlashのActionScriptでした。もともとアニメーションデザイナーチームの前身が、Flashチームという名称で主にAdobe Flash(現Animate)を利用していました。ブラウザゲームが数多くリリースされる中で弊社にもActionScriptによるプログラミングを行えるメンバーがおり、その知識を土台としてネイティブアプリで応用していったという流れがあります。
まとめ
今回の講演を聴いていただいた皆さま、また本記事をご拝読いただいた皆さま、誠にありがとうございました。先日第6弾のカードパック詳細が発表されましたが、Shadowverseではアニメーションに関してもよりユーザーの方々に喜んでもらえるような施策を用意しています。すでにプレイしていただけている方は引き続きお楽しみにしていただき、本講演でShadowverseをご存知になった方はぜひゲームの方もプレイしていただけますと幸いです。
最後にアニメーションデザイナーチームでは、私たちと一緒に最高のアニメーションを制作していく仲間を募集しています。業務範囲は、キャラアニメーション、エフェクト、UIアニメーション、プログラミングなど多岐にわたりますが、その方の適性や最大限に活躍できる業務に集中できる体制になっています。今回の講演や記事をご覧いただき興味をお持ちいただけた方は、ぜひ下記よりご連絡下さい。一緒に最高のコンテンツを作りましょう!