【CEDEC 2018 フォローアップ】空撮フォトグラメトリー技術とレーザースキャン技術の融合による広大な現実空間の3Dデータ化方法


Cygames 3DCGアーティストの國府です。
2018年8月22日~24日に開催されたCEDEC 2018にて「空撮フォトグラメトリー技術とレーザースキャン技術の融合による広大な現実空間の3Dデータ化方法」という講演をいたしました。
講演にご参加いただいた皆様には、改めて御礼申し上げます。

数年前までは広大な現実世界を高精度な3Dデータにする場合、人手による地道で膨大な作業をこなすしかなく、さらに今ほどの精度を実現すること自体が困難でした。

また、高精度なデータを自動的にスキャンすることは、小規模なエリアなどに限定された使用に留まっていました。しかし、ここ数年で状況は大きく変化し「レーザースキャニング技術」「フォトグラメトリ技術」「ドローンによる空撮技術」などが目覚ましく発展しています。これらを有効に使用することで大規模エリアを高精度な3Dデータとして作成できるようになりました。

制作事例として、佐賀県鳥栖市にあるサッカー専用球技場「ベストアメニティスタジアム」を上記技術を融合し作成すること成功しました。

講演のポイント

今回の講演でポイントとなることは2点あります。

1つ目は、技術の融合です。「レーザースキャニング技術」「フォトグラメトリ技術」「ドローンによる空撮技術」各技術単体では、得意、不得意があり全ての問題を一つの技術で補うことはできません。しかし各技術の特徴を把握し、うまく融合することで問題点を補うとこができました。

2つ目に、異業種との連携です。今回は、測量会社の測量技術の知見を取り入れてプロジェクトを進めました。ありがちなことですが、何か乗り越えなければならない問題が発生した場合、同じ業界の中の情報だけで解決しようとすることがよくあります。
しかし、異業種や他分野で同じような事をやっている業界はないかなど、少し視野を広げて情報を集めてみると、問題の解決や糸口が見つかることがあります。

今回であれば、異業種である測量業界の知見を得る事で、高い精度とスピードでプロジェクトを進めることができました。

2点をまとめると、

  • 各技術の特性を知り、利点、問題点を明確に把握し異なる技術を融合することで問題を補うことができた
  • 異業種との協力により新たな技術や知見を得ることができ、大幅な時間短縮とクオリティーの向上を実現することができた

また、今後の展望として、今回のデータ作成で得られた知見をもとに、大規模エリアの高精度なデータ化実績を増やし、新たな技術の導入を模索しさらなる効率的な手法の確立を目指します。
そして、この技術の発展や、さらなる有効活用方法の模索のため、このスタジアムデータを大学や研究機関等に無償で提供公開する予定です。

ご興味のある方はCygamesの研究所であるCygames Researchまでご連絡ください。

最後に

Cygamesは「新しいこと」「おもしろいこと」が大好きです!!
Cygamesでは今後も新しいことや面白いことにつながる技術や、アイデアを追求し、ユーザーをに喜んでいただけるコンテンツを作っていきます。ご賛同いただける方は、是非ご一緒に働きましょう!

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